定電流負荷装置


2008/05/25 Nishimura Hiromi


 [PFMステップアップ DC-DCコンバータ]で紹介したHT7750Aの入出力電圧特性を計測するに2つの装置を使いました(データロガーのGL200を含めると3つの装 置)。

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HT7750Aの入出力特性 を調べる


 上記はPFMステップアッ プDC-DCコンバータ(HT7750A)の入出力特性を計測する時に使用した装置の配置図です。HT7750Aの回路には自動可変電圧電源から0〜 4.5Vの範囲で毎秒数mVの速度で電圧を上下し三角状やノコギリ状の波形電圧を加えます。そのときの入力電圧と電流および出力電圧をデータロガーの GL200で計測します。PFMステップアップDC-DCコンバータの負荷には定電流負荷装置で20mA〜200mA流れるようにしています。


● 定電流負荷装置

 HT7750Aの負荷を一 定にするため定電流負荷装置を作ってみました。今回のような計測ではHT7750Aの負荷に普通の抵抗で十分と思います。あえて定電流負荷にした理由は特 にありません。ただ使ってみたかったそれだけのような。でも一つ作っておくと色々な応用ができるので便利でしょう。

 

● 定電流負荷装置はCVCCに利用可能


 自作実験用電源、たぶん皆 さんも作っているのではないかと思います。三端子レギュレータで簡単に作れますね。でも市販の実験用電源のような定電圧定電流(CVCC)にして使ってい る方は少ないのではないでしょうか。今回紹介する定電流負荷装置があれば単なる負荷装置だけではなく自作の電源やスイッチングACアダプタがCVCC電源 にすることができます。CVCC電源ってバッテリーの簡易充電に気軽に使えるので非常に便利です。


● 回路

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回路図(拡大)

 特に変わった点はありませ ん。基本的にはFETのソースに接続した電流検出抵抗にかかる電圧を基準電圧と比較しFETで電流を制御しています。左側のオペアンプで、TL431で 作った基準電圧と負荷に流れた電流を比較しFETを制御しています。オペアンプは2つの入力の差をゼロになるよう制御するので、この部分にデジタルボルト メータ(DVM)を接続すると電流設定値と実際に流れている電流の両方を表示することができます。

 この回路はインピーダンス が高いので簡単に発振してしまいます。オペアンプ回りのコンデンサーは忘れずに使用して下さい。0.1μFのコンデンサーは少し大きすぎる かもしれません。

 この回路の消費電流は DVMを含めても10mA程度です。そこで電源は単四型ニッケル水素充電池二本直列をHT7750Aで5Vに変換し使用しています。スイッチングコンバー タなのでノイズ(リップル)が大きいのでLC回路で平滑化しています。

 オペアンプには LMC662を使用しています。このアンプはオフセットのばらつきが多い様です。そのためDVMの電流設定値と計測電流に差が生じる事があります。何個か 購入しオフセットの小さい物を使うか、オフセット調節ができるオペアンプに交換して下さい。


● 配線図

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 回路図と見比べ利用して下 さい。この配線図は部品側です。ユニバーサルボードに部品を挿入しハンダ付けが終わったら裏返し上記配線図を左右反転するか鏡に映しスズメッキ線で配線し て下さい。


● 極性があるので注意


 回路図を見て判るよう、こ の定電流負荷装置には極性がありますので注意して下さい。逆接続するとダイオードを介して電流が流れ短絡モードになります。心配なら出力側に直列にポリス イッチを付けるのも良いかもしれません。


● 簡易CVCC電源

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 定電圧電源、例えばスイッ チングACアダプタと定電流負荷装置を上記のように接続すると試験用の定電圧定電流電源(CVCC)ができます。私は定電流負荷で使うより上記のような CVCC電源として使う頻度が高いです。電流を設定する事で試験回路に想定以上加わる事がありませんし、動作中の試験回路に流れる電流が確認できるので小 さな実験回路の試験には非常に便利です。


● 実機

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 上記画像が定電流負荷/定 電圧定電圧電源(CVCC)装置の実機写真です。単四型ニッケル水素充電池を電源にしているのでこの装置のみで定電流負荷に使えます。またスイッチング ACアダプタ電源(定電圧)を接続するとCVCC電源になります。


● 定電流特性

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 上記図のように自動化変電 圧電源に10Ωの抵抗と直列に今回作成した定電流負荷装置を接続し定電流特性を調べてみました。結果を下記に示します。

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 非常に奇麗な定電流特性を 示しています。電圧が0.5Vでも設定した100mAが問題なく流れるようです。直列に接続した抵抗は、実はデータロガーのGL200は電流を計測できな いので電流検出のためで、実際に電流は10Ωの抵抗間の電圧から計算しています。

 負荷抵抗10Ω以下でも試験していますが、面白い事に1Ω以下では電流に振動が生じます。電源と定電流負荷装置の相互作用で発生するよ うで周期が数秒で数mAのゆっくりした変動です。CVCC電源として使用する時は負荷は1Ω以上の方が良いでしょう。