実験用CVCC電源


2008/09/02 Nishimura Hiromi

 100V5Aの絶縁トラン スが手に入った。自宅で電子回路の実験をしていると困るのがアース。特にAC電源を直接いじる回路の実験では頻繁に感電。そんな訳で感電の心配のない(少 ない)絶縁トランスが手に入り喜んでいる次第。で、このトランスを見たら 100V5Aだけではなく25V3Aの端子も付いている。せっかくなので実験用の電源も一緒に組込む事に(25V3Aとは何とも中途半端な電圧)。実験で 使用する電圧範囲は1V~15V程度。これを普通の定電圧回路で降圧すると殆どが熱になってしまう。たとえば5V3A出力だとすると (25-5)*3 = 60W の熱が放出されることに。


● スイッチング方式なら効率がいいのでは


 普通の定電圧回路では降圧 した電圧の分がすべて熱に変換、放熱が大変。そこでスイッチング方式なら高効率で電圧変換が可能(熱もほとんど発生しない)。

 いつもの事ながら秋月電子 のカタログを見ていたら「4~25V (最大5A)可変スイッチング定電圧電源キット」を発見。


● 下限が4V!


 「4~25V (最大5A)可変スイッチング定電圧電源キット」をよく見たら下限が4Vなんですね。NiMH充電池の充電試験もあるのでやはり0V から使える方が。0Vから使えるスイッチング電源ってありませんね~ (作るくらいだったら市販品の電源を購入した方がはやい、その方が信頼性も高いだろ うから良いかも)


● そういえばスイッチングノイズもあった


 スイッチング電源にはス イッチングノイズの問題もありました。LCフィルターで除去できるので大きな問題ではないのですが忘れてはいけない事項です。


● 実験に必要なのは定電圧・定電流 (CVCC)


 電子回路の実験で使用する 電源。これに必要なので定電圧だけではなく定電流である必要もあります。なぜなら、急に充電池の充電が必要になったとき便利なんです。特に2C以上の急速 充電では。


● そうなると仕様は


今回想定する電源の仕様をま とめると

1:発熱の無いスイッチング 方式の電源

2:スイッチングノイズが少 ない事(これはLCフィルタで解決)

3:ゼロボルトから可変でき る電源

4:定電流・定電圧 (CVCC)電源である事

5:出力電圧範囲は 0~24V

6:出力電流は3A以上


これを満たす電源回路は?


● スイッチング電源をトラッキングレギュレータに


 今回の目的はAC25V3Aの 交流から0~24VのCVCC電源を作る事。絶対に外せないのが発熱。ということはスイッチング電源を使うのは当然でしょう。要は、どう使うか。幸いな事 に秋月のキットに使用している「DC -DCコンバータ KIC-125 (12V 5A)」は電圧制御端子が付いており、このスイッチング電源は出力 端子と制御端子の間の電圧をいつも4Vになるよう制御するようになっています(詳しくは「降圧型DC-DCコンバータを鉛バッテリーの充電器に」を参照の事)。この特性を利用したら面白いことができそう。

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 スイッチング電源である KC-125は定電圧定電流回路に必要な電圧を供給するトランスの役目をさせることに(発熱を避けるため)。出力電圧に追従して電圧を変化させるのでKC -125はトラッキングレギュレータという役目を担ってもらいます。


● 回路は


 スイッチング電源で発熱の 問題がクリアされたので後は定電圧定電流(CVCC)回路だけです。手持ちを探したら大電流を流せるトランジスタが見当たらず(2N3055はあったのだが絶縁 シートが行方不明というか無い)。そんな訳で今回はN-MOS FETを使う事に。何故かあまり MOS FET とパワートランジスタを区別する感覚がないのです。

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 LM358を使いMOS FETの入出力電位差を計測しスイッチングレギュレータのKC-125の制御端子(キットの電圧可変用ボリュームの中間端子)に入力します。これで定電圧 定電流(CVCC)回路の方はいつも出力電圧より4Vだけ高い電圧を供給されることになります。三端子レギュレータの7815を二個使い30Vを作りオペ アンプの電源として供給しています。

 定電圧・定電流はオーソ ドックスなところで済ましています。FETのゲートをドライブする電圧を三端子レギュレータから供給しているので最大出力電圧は26V。実用的には 25V3Aが最大電圧電流です。出力12V以下では5Aまで大丈夫でした。


● 放熱


 FETの入出力電圧差はト ラッキングレギュレータのおかげでいつも4Vなので5A出力時でも20Wの発熱です。大きな放熱版ならだいじょうぶですが小さいものだと少々心配。私は CPUクーラを使っています。

 実際に使って一番発熱する のが何故か三端子レギュレータの7815。これはきっちり放熱するようにして下さい。