NiMH 充電用1.8V電源
2008/06/01 Nishimura Hiromi
最近、ニッケル水素充電池 を沢山使うように。なにせ単三・単四型が一本100円(¥105)ですから。充電池、使っていて不満になるのは充電器。私が多用しているのは NEXcellのNC-60FC。この充電器使いやすく気に入っているのですが、稀に充電不良というか1本だけ極端に充電量が少なかったりします。ノイズでΔVを 誤検知してしまうのでしょうか。このNC-60FCは一本からでも充電できるので重宝しているのですが。まあ電池にしてみれば秋月のユニバーサル・チャー ジャーのようにΔVを検知し忘れ充電しっぱなしで高温になるよりはましですが。
● 充電器を作ろうかな〜
そんな訳でNiMH用の充 電器を作ろうかなと思い始めたところ。普通のΔVを検知する方法だと誤検知があるし、市販と同じ物を作っても面白く無い。そこで ΔV検知方式以外の方法が無いかとインターネットで検索してみたら「ニッ ケル水素充電池充電器の製作」がヒット。これ普通のΔVを使う方法ではないようです。テクノコアインターナショナル(株)が 開発した I.C&C 方式というものらしいです。詳しい原理は「きじとらPC工房」 さんのWebページを参考にしてもらうとして、簡単に説明するとNiMH充電池に抵抗(0.1Ω)を介して1.8Vの電圧を一定時間 (1分)加え充電する。充電休止後(3分)後に充電池の電圧が 1.42Vになったら充電を停止する。とまあ非常に簡単な方法というかまったくΔVに関係しませんから誤検知の可能性が無い方法にな ります。作るならこれですね。
この充電方法、実際に有効 なの か。作る前に手動で気長に試してみました。本当に時間がかかるんです。で、3分休止後の電圧が1.42Vに近づくと充電池もほんのり暖かくなり満充電に近 づ いていることが解りました。まあ無理して満充電にする必要がない、と言うか満充電ちょっと手前で止めれば長持ちするので。少なくても I.C&C 方式はΔVに代わり得る方式だと確認しました。
● まずは 1.8V 電源
充電器の充電方法を I.C&C 方式にするに先立つには 1.8V 数Aの電源が必要です。できるなら小さな12V〜15VのACアダプタを使いたい。そうなるとチョッパー方式のDC-DCコンバータしか無いだろう。とい う訳でNiMH充電器用の1.8V電源を作る事に。今日はその紹介です。
● シャープのPQ1CZ1(ここは失敗談)
作ろうと思ってもDC -DCコンバータ用のICがいつも在庫している訳ではありません。でも何故かシャープのPQ1CZ1を発見(これも何の気は無しに秋月から購入したも の)、これで試して見る事に。電流は 1.5Aしかとれないので2SCタイプのトランジスタを追加。電流は取れるが効率が40%と極端に悪い。殆どが熱となってしまう。ACアダプタが使えない 事が判り廃案。トランジスタの追加が悪いのかコイルの定数が悪いのか。そのまま使えば小さくまとまり悪く無いチップなのですが。残念です。
● LM317を使った回路
そこで思い出したのは普通 の三端子レギュレータを使ったDC-DCコンバータ。これはリップルが大きいので電源用には使えない。昔、トラッキングレギュレータとしては使えるので はと0〜20V用の実験用の定電圧電源に使ったもの。三端子レギュレータの入力をいつも出力電圧+数ボルトになるようトラッキングさせるもの。リップルが 大きくても最終段の三端子レギュレータでリップルの削除ができるので、リップルの大きなDC-DCコンバータでも大丈夫と考えたものです。動作がチョッ パー型のDC-DCコンバー タなので入出力の電圧差が大きくても発熱が少ないというメリットがあります。
今回は充電用なので少々の リップルがあっても問題無し。そこで下記のような回路にしてみました。

この回路はLM317の データシートに載っていたものです。今回は充電用で1.8Vに固定なので可変抵抗の部分は除いています。特に変わったところはありません。というか私自 身、この回路で何故に発振するの理解していないのでLM317のデータシートに載っていたそのものの回路でしか使えないのです。

これが配線図です。これも 特に変わったところはありません。ただ今回は数Aの電流を流すので大電流の通り道だけはΦ0.8mmの太い錫メッキ線を使って配線してい ます。他はΦ0.3mmの錫メッキ線で す。
● 完成・試験

実機
完成したのが上記の写真。 最初、小さなコイルを使用したら発熱。どうも磁気飽和してしまったようです。トロダイルコアを使うとすぐ温度が上がるので磁気飽和が良く判ります。そこで 上 記のような大きなコイルに変更。その後はまったく発熱なし。動作原理が判ればチョッピング周波数を上げるのですが、これも叶わず大きなコ イルになってしまいました。
トランジスタにはパルスで 2A程度流れるのでICEは5A以上必要と思われます。トランジスタの発熱は暖かくなる程度ですが。でも実際には4A程度流れる可能性があるので連続使用 では放熱は必要と思われます。試験では放熱版を付けず裸で試しています。これでも暖かくなる程度なのでケースを放熱器の代わりに使えるのではと思っていま す。 LM317(EH11A)の方は熱くなるとまではいかないですが、ある程度温度が上昇します。放熱は必要です、私は銅板を加工し写真のように付けていま す。大きさはこの程度で十分だろうと思います。

上記はオシロスコープの波 形です。赤がダイオード・カソード(A)点、青が出力(C)点の波形です。この波形は負荷に1Ωの抵抗を付けた時の動作状態を示して いま す。入力が11.96Vで電流は0.434A、出力は1.8V、1.8Aでした。よって変換効率は約64%。パルス周期は約25KHz。出力は1.8Vで Pk-Pkで180mVのリップルが見られます。出力側の電解コンデンサーの容量を大きくするとリップルは小さくなるでしょう。でも充電用としてはこの程 度のリップルは影響しないと思われます。
● 感想
今日は、製作記事と行って もLM317のデータシートに載っている回路そのものなので面白みがありませんでした。でも普通の三端子レギュレータをチョッパー式のDC-DCコンバー タに使うって面白いと思いませんか? リップルが大きいのは少々困りますが、使う用途によっては十分に利用価値のある回路だと思います。なにせ三端子レ ギュレータはどこでも手に入りますから。
さて、これでNiMH充電 池充電用1.8V電源もで完成した事だし次は充電回路の設計と試験です。一応、下記のような回路を考えています。

問題は充電池の電圧検知、 LM324の単電源動作で計測できるのか。ブレッドボードでは計測できたのですが実際に動作するのか、電池の有無が判るのか実際に作ってみないと判らな い。来週から学会モードに入るので完成するのはいつになるやら。最近Webページの更新が 多いのは学会モードに入る直前の仕事したく無いモードに入っているためと思われます(まだ他人事)。