[2004/03/28 10:44:52]
● 実際の回路ではオシロスコープを使う程でもないが波形が見たい。そんな理由で秋月電子通商から WENS700 デジタルストレージオシロ(27,500)を買ってしまいました。1/10の値段に引かれたのが〜〜〜〜〜〜
普通のテスター程度の大きさと思っていたのですが実際に手にすると思っていた以上に大きいです(弁当箱:下記左画像参照)。カタログ写真だけだと大きさまでは!
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さっそく使ってみました。右画像は商用電源を計測した時の波形をデジカメで撮影したものです。思っていた以上に奇麗に表示されました。普通のオシロスコープで私の家の商用電源を見ると少し汚い台形のような波形す。でも WENS700 では奇麗に見えるのですね?
WENS700 は時間軸と電圧軸を自動で設定してくれるのは便利です(これが大きな間違い!)。
マニュアルに DSO の波形を PC に転送できると書いてあったので試してみました。それが下記画像です。
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奇麗に波形が撮れますね。画像が小さいのがいまいちですが使えそうです。
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ポジションを下に下げているので注意して下さい。
● 最大周波数は実際の回路( 30V DC-DC コンバータ)で計測してみました。左は終段トランジスタのコレクタ電圧(VCE)の波形です。普通のオシロスコープでみたのと全然違う波形なのには驚いてしまいました。これで本当に使えるのでしょうか。
変だな〜と思いながらマニュアルで 5V/div から 10V/div に変更してみました。その結果が上記右に示す波形です。ようやく普通のオシロスコープで見た波形になりました。この原因は何なんでしょう?
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更に 5V/div のままで時間軸を 20μs/div から 10μs/div に変更してみました。その結果が上記波形です。これもほぼ普通のオシロスコープで見た波形でした。そうするとオートで表示された波形はいったいなんだったんでしょう? でもマニュアルで設定するとそれなりの波形になるので我慢する事にしましょう(安心)。
● 結果マニュアルにはサンプリングが 25MS/s で 5MHz までと書いてあります。実際にそうなのか正確な周波数で発振する DDS を使って試してみました。下記は1KHz〜5.5MHz までの信号を与えた時の DSO の波形です。
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5MHz で 10% 程度の減衰はありますが仕様の通り正弦波では 5HMz まで表示できるようです。 5.5MHz になると不安定になりとんでもない波形が表示されます。安定した波形が表示されないので区別ができると思います。
● 校正ができない!以上から、 WENS700 の表示波形は実際の波形とは異なる可能性があります。時間軸や電圧軸をオートではなくマニュアルで色々と変更してみないと確実な所は判らないようです。使用にはこの点に注意しましょう。それとも何か使い方を間違っているのでしょうかね?
● 反省もう水銀電池って売っていないんですね。温度さえ判れば4桁位まで電圧が判るので校正用に使えるのですが。私が持っているデジタルテスターは同じ電圧を計測しても全部バラバラ。しかたがないので MAXIM の MAX872 で 2.50V を作り、これを校正用に使っています。まあ3桁も使わないので意味はありませんがデジタルで値が違うと気持ちが悪い。
簡単に電圧校正ができる標準電池が無いでしょうかね〜 ウエストン電池が欲しい!
図 ウエストン型標準電池の構造図
● PC へのデータ転送(途中で暴走)計測装置は高くても信頼性のある物を使わないといけないようです。私は貧乏性なのですぐ安物を買ってしまう。「安物買いの銭失い」またやってしまったようですね。
俺って進歩が無いな〜
● Macintosh で計測WENS700 には Windows マシンへデータ転送することができるようです。さっそく WinXP マシンにソフトをインストールしてみました。意外に簡単にデータ転送ができます。ところがです、5〜10分程データ転送させていると暴走してしまうんです。どうしたんでしょうか。何回やっても暴走します。付いて来たソフトは WinXP に対応していないのでしょうか?マニュアルには XP で使えないとは書いていないのですが?
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暴走するのはしょうがないとしてもそれまでに計測したデータまで一緒に消えてしまうのは。どうもソフトは暴走しない事を前提に作っているようです。私なら暴走してもデータだけは残るよう計測の度に保存するのですが。
● Macintosh には RS-232C がない!計測ソフトが暴走するなら自分で計測ソフトを作るしかありません。でも困った事に私は Windows のアプリケーションを作った事も無いし開発ソフトもありません。そんな訳で Macintosh で計測ソフトを作る事にしました。
長時間の計測になると計測対象以外に計測環境(例えば室温)が変化したりするので1チャンネルの計測自体が意味がありません。そんな訳で1チャンネル計測装置はあまり使い道がありません。でもせっかく買ったのにデータ転送できないのは癪に障るので作った次第です。
● データの垂れ流しMacintosh で作るのはいいのですが、肝心の RS-232C ポートがマックにはありません。そこで前に買っておいた XPort を使って LAN<-->RS-232C コンバータを作り LAN 経由で WENS700 のデータをマックに転送する事にしました。
一見面倒に思うかもしれませんが、実はこれが簡単なのです。 XPort に RS-232C のレベルコンバータを付けるだけで LAN<-->RS-232C コンバータが出来てしまいます。またマックのプログラムで面倒な TCP/IP を実現しなくてはならないのですが Cocoa のクラスに NSStream がありまして30〜50行程度で TCP/IP が実現してしまいます。そんな訳で数時間でできてしまいました。Cocoa に慣れてしまうとマトモな開発環境が使えなくなってしまうのではとちょっと心配しています。
興味があればソースも公開できますが。興味ないでしょうね!
これが作ったマック用のデータ収集ソフト
● 計測例XPort の制御の仕方が判らないので WENS700 の RS232C から XPort へは計測データを垂れ流しするようにコネクタの結線します。クロスケーブル(ヌルモデムケーブル?)を使い WENS700 と XPort を接続しますが 6,7,8ピン(9P)を接続し +5V を与えておきます。すると WENS700 はデータを垂れ流しします(4サンプル/秒)。
● 処理プログラムさっそくデータ転送を試してみました。 006P 型ニッケル水素バッテリーの充放電器の放電・充電電圧特性を計測してみました。この充放電器は PIC16F84A を使って作ったものでバッテリーを接続するとセル電圧が1ボルト(7セルなので7ボルト)になるまで 1C 放電させ、放電終了後に 0.2C 充電を 150% 行う物です。充電が終了すると 1/30C のトリクル充電に移行します。バッテリー周辺の回路図を下記に示します。回路図には電圧比較回路が一つしかありません。でも実際には2つあります。一つは放電最終電圧の監視でセル電圧が1Vになるまで、 006P は7セルなので7Vになるまで放電を監視し、この電圧を下回ったら充電に移行します。充電は 150% 充電の8時間固定です。もう一つの電圧比較回路は充電電圧が上限の 10.5V を越えないよう監視しています。この回路を PIC16F84A で制御しています。下記回路図で電源を+12Vと書いていますが定電圧型ではフル充電しません。12Vの安いトランス型の物を使っています。
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この放電・充電・トリクル充電の電圧変化を計測してみました。使用したバッテリー(GP150mA:NIMH 8.4V)はフル充電してから約1ヶ月室温で保存しておいたものです。
このバッテリー、数年前に購入した物で今は売っていないようです。もう少し高性能な 170mAh のものが売られています。
● 放電特性データをマックに転送できればこっちのもんです。 CalendarMemo の mc (matrix calculator) を使ってグラフ化します。
例
~ データを読み込んで余計な文字列を削除
a$ = loadText("20040327.txt");
a$ = swapTextString(a$,"------< START >------"+asc(10),"");
a$ = swapTextString(a$,"------< STOP >------"+asc(10),"");
b$ = swapTextString(a$,"/"," ");
b$ = swapTextString(b$,":"," ");
b$ = swapTextString(b$,"Vdc ","");
~ 数字だけになったらクリップボードに放り込んで、数値データとして読み込む。
copy(b$);
a = getClipData(0);
~ 最初の1〜6列は年月日時分秒なのでユリウス日に変換
t = jst2mjd(a[#,1|6]);
~ ユリウス日を分に変換する
t = (t[#,1]-t[1,1])*24*60;
b = addP(t,a[#,7]);
form = |0,70,5,6.8,9.5,0.2|;
pointMode(1);
parametricPointPlot(bb[#,1],bb[#,2],form);
parametricLinePlot(bb[#,1],bb[#,2],form);
こんな感じで転送したデータをグラフ化します。このグラフを OmniGraffle で説明文を加え奇麗(?)にしてメモに貼付けています。それでは実際の計測結果をどうぞ。
● 充電特性上記グラフが放電特性です。放電前の開放電圧は 9.15V ですが 1C 放電(150mA) を行うと 8.52V まで低下します。その後20分程は8Vをキープするのですが、急激に電圧が低下します。最終放電電圧の7Vまでは約40分でした。意外に短いものです。昔はもう少し長く使えたような気がするのですが。もう3〜4年使っているバッテリーなのでヘタっていると思います。それに 1C という過酷な放電をさせているのが原因かもしれません。もう少しマイルドな放電の方がバッテリーに優しいのかも。
そういえば10年も前の単三型NiCdバッテリー、まだ使っています。性能を見たら 600mAh なんですね。こんなに容量が小さいとは思いませんでした。鉛バッテリーは2〜3年で使い物にならなくなりますが NiCd や NiMH バッテリーって長持ちしますね。Liバッテリー(パソコン用)は毎日充電放電を繰り返していますが、3年経ってもまだ頑張っています。
● まとめ0.2C(30mA) 充電中の電圧変化を上記グラフに示します。グラフを見ると変な事に何カ所かノイズが乗っています。どうしたんでしょうか。
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ちなみに上記グラフは PICNIC を使って計測した同じバッテリーの放電・充電電圧特性です。ノイズはまったくありません。どうも WENS700 で何らかの計測エラーがあるのではないでしょうか(いい加減な計測器だな〜)。ひょっとして垂れ流しのデータを上手く受け取れていないのでしょうか。でもそうならもう少し酷いノイズであってしかるべきなのに実際の値に近いのが気になります。
第一印象は「安物買いの銭失い」の一言です。測定器はケチらずに信頼性があるものを買いましょう。安物は遊びと思って購入した方がよさそうです。まあ遊べそうな事は確かです。突然に波形が表示されなくなったりノイズが入ったり、普通のテスターのように乱暴な使い方はできないような印象です。
遊び用としては面白いテスターかも知れません!
by Nishimura Hiromi