[2005/02/28]
● 思ったより大きい2月の初めに安価版のデジタルストレージオシロスコープ SwordFish を購入しました。実はディジタルテスター型のデジタルストレージオシロスコープ WENS700 で失敗している(テスターとしても使っていません!)だけにちょっと抵抗があったのですが形に惚れ購入してしまいました。
で、色々と使い勝手を調べてみたので紹介します。もし購入する予定のある方は参考にして下さい。
● EasyScope II for PS40M10 を使ってみるカタログで見た時はペンのようで小さいのかなと思っていたのですが実際に手にしてみると相当大きいです。手に持って使うにはちょっと違和感を感じる大きさです。 Fig-01 の写真では左手に SwordFish を持っています。これは右手でマウスを持たなくてはいけないからです。それでも計測端子先端がスプリングになっているので部品に接触させても滑らず思った以上に計測しやすいです。
Fig-01: SwordFish を手に持った様子
● EasyLogger for PS40M10 を使ってみる計測をするには SwordFish を WinXP マシンに接続(USB) し EasyScope II for PS40M10 を起動します。このソフトを起動した時の様子が Fig-02 です。
Fig-02: 白色LEDドライバーIC555の6番ピンの信号
(WinShot でウインドウをキャプチャー)Fig-02 は 白色 LED をドライブする IC555 の6番ピンの信号を計測した様子を示しています。アナログ・オシロスコープで計測した波形と一緒です(当たり前か!)。波形もリアルタイムで表示されるので普通のオシロを使っている感じです。感度やトリガー、サンプリング時間の調整ではモニターに表示しているボタンやスライダー、ツマミをマウスで操作しなければなりません。左手に SwordFish を持ち右手にマウスを持つというのは思った以上に使い勝手がよくありません。
SowrdFish を持つと丁度親指が当たる位置に黒いスイッチがあります。計測中に間違って触りスイッチを押してしまうことがあります。これを押してしまうと計測が停止します。結構頻繁に触ってしまうのでちょっと気になります。
実はこのボタン、計測を止めるだけで再開してくれないスイッチなんです。ボタンを押す度に計測開始(RUN)と計測停止(STOP)が切り替わると便利なんですが、できません。SwordFish はワンショット(Single)計測ができますが計測開始はモニター画面のマウスクリックしなければなりません。SwordFish に付いているボタンを押す事でワンショット計測ができれば便利なのですが、何にもしません。何の為に付いているボタンなんでしょうか?
Fig-03: IC555の7番ピンの信号
(EasyScope II for PS40M10 の画面保存を使用)右手にマウス、左手に SwordFish を持って計測は現実的ではないので、ミノ虫クリップを使ったアダプターを作ってみました(Fig-04)。このアダプターを使うと考えながら操作できるようになります。
Fig-04: アダプター
■ AM ラジオの信号(FFT)SwordFish に付いてきた CD-ROM にはもう一つアプリケーションが入っていました。長時間の計測ができる EasyLogger for PS40M10 です。
Fig-05a: LED を使った 9V バッテリー専用放電器
Fig-05b長時間計測として 006P型ニッケル水素充電池(150mAh) の放電特性を計測してみました。赤色発光ダイオード4個直列×6並列にした放電器(Fig-05a)です。 1.594*4 = 6.3760V が最終放電電圧になる放電器です。この電圧以上は LED の特性から電流が流れないはずなのでマイルドな放電が出来るはずです(実際にはもっと低かったです)。この放電器を使って9Vバッテリー放電の12時間計測をしてみました。計測結果を Fig-05 に示します。
このアプリケーションは中々使えます。でも1チャンネルしか計測できないので実用にはなりません。2チャンネルあればバッテリー電圧と電流制限抵抗にかかる電圧が計測でき、バッテリーの電力容量が計測できます。普段は秋月のデータロガーを使っているので SworFish の1チャンネル長時間計測は実際に使う事はないでしょう。ちょっとした確認には便利かもしれません。
この EasyLogger for PS40M10 には計測結果をテキストで保存する機能があります。このデータを CalendarMemo の mc (matrix calculator) で作図した結果を Fig-06 に示します。
a = getClipData(0);
setPlotWindowSize(600,300);
parametricLinePlot(a[#,1]/360,a[#,2],|0,14,2,6,9,0.2|);
Fig-06: CalendarMemo の mc(matrix calculator) で作図
(サンプリング間隔が10秒なのでX軸を時間で表示するため 1/360 倍しています)
● ノイズの周波数分析(FFT)ダイソーから購入した 100円の AM ラジオの局発信号をサンプリングしてみました(Fig-1)。この 100円 AM ラジオは部品取り用として購入したものです。
Fig-07: AM RADIO の局部発信の信号上記キャプチャー画像を見て判るよう非常に奇麗な波形(どこが!)が観測されています。この信号を周波数分析したのが Fig-08 です。ボタンをクリックするだけで周波数分析と言うかフーリエ変換したグラフが見れます。
Fig-08: 局発信号の FFT 分析結果一番強い信行の周波数は約 950KHz です。思った以上に簡単に信号を周波数分析する事ができました。 SwordFish はなかなか使えそうな感じがします。この計測をしているとき変な事に気がつきました。 Fig-04 で紹介したアダプターで端子を開放するとノイズ信号が入って来るのです。そこでノイズを FFT 分析してみました。
● 高い周波数はどこまで!そんな訳でアダプターを開放した時のノイズを周波数分析(FFT)してみました。その結果が Fig-09 です。
Fig-09: 何とラジオ信号が!何と秋田市で受信できる3つのラジオ放送の電波が受信できていました。ノイズと思っていたのは実はラジオ放送とは驚きです。 776KHz, 936KHz, 1503KHz の3つのピークがあります、意外に感度が良いですね。
FFT はデシベル表示ができないのでスペアナの代わりと思わない方が良いです。まったく違います、というか期待しない方が良いです。信号を見るには良いですが実用にはなりません。
● 最後に感想気になるのはどこまで計測できるかです。そこで DDS を使って計測可能な上限周波数を調べてみました。その結果、正弦波ですが5MHzまでは使えそうだと言う感触を得ました。スパイクは見れません(運が良ければ見えるかもしれませんが)。周波数カウンターは 20MHz まで使えそうです。
さて SwordFish を使ってみての感想ですが、 WENS700 で失敗した後なので印象は非常に良いです。使い勝手も慣れるとそれなりに使えるし波形も確認用には使えます。5MHzまで使えそうなのでチョットした遊びに使う分には問題ありません。計測値云々を言い始めたらいくらでも文句がでます。唯一ソフトはとっても使いやすいというか、ひょっとしたら仕事で使っているものより良いかも!これには驚きです。
そうそう、使っている途中で何回か「フューズが飛んだ」というメッセージが表示され計測不能になりました。最初は本当にヒューズが飛んだと思い蒼くなりましたが大丈夫でした。これ何なんでしょうか? 静電気に弱いのかな〜 冬は注意しなくては!
Nishimura Hiromi
以上