※ 簡易放電器

2005/02/04 Nishimura H.

 最近、家で使う電子機器(ラジオ、懐中電灯、電子辞書、デジタルテスター,etc)の電池をすべて秋月電子から購入したニッケル水素蓄電池に切換えました(実際これまで電池のコストはバカにならなかったもので)。

 そんな訳で、できるだけ長持ちするよう放電器も秋月電子から購入しています。でも何か変なんだな〜 だって放電器を使うのに電源が必要。これって何か変だと思いませんか? いや秋月の放電器が駄目な訳ではなく、その私の考えと言うか、想いと言うか、こだわりに合わないというか。要は.......


● 機械式リレーを使った放電器

 インターネットで検索してみたら「獣医さんの電子工作とパソコン研究室」にリレーを使った電源不要の回路が紹介されていました。同じ事を考える方がいるんですね。

 でも使っているのは 1.5V の特殊なリレーで簡単には手に入りそうもありません(秋田の田舎では無理!)。それにランプを使った放電なので電流制御もしていない。なんとなく美しく無いな〜と思ってしまいました。いや決して悪いとは思っていません。こだわりというか、なんというか、その〜

 そんな事を思いながら秋月電子のサイトを眺めていたら面白いデバイスがありました。それは PhotoRelay (TLP227G) です。内部の LED が発光している時だけオンになる、まさにリレーそのものです。

 シンプルなデバイス、好きなんですよねこんなデバイス。それに一個当たり70円は安い(私はけけっして秋月のまわしものではありません)。まあ遊ぶには手頃な値段です。これを使って定電流の放電器を作れないかと考えたました。


● 放電器

 そんな訳で、外部電源を使用しない放電器を作って見ました。試した回路図を下記に紹介します。単三型ニッケル水素充電池4本直列用です。見てわかるよう非常にシンプルな回路です。スタートボタンを押すとフォトリレー(TLP227G)の内部にある発光ダイオードに電流が流れリレーはオンになります。バッテリーの電圧が下がると TLP227G の内部にある発光ダイオードが消えてリレーがオフになります。まさに機械式リレーを電子的なリレーに代えただけです(発想が貧弱で!)。まあ定電流放電になったところが違ってますが。

簡易放電器

● 定電流

 定電流制御はどこにでもあるようなオーソドックスな回路です。 2SC3890 のベース電流を 2SC1815 で制御し一定の電流を流します。 エミッター抵抗 R3 にかかる電圧が 0.65V 以上になると 2SC1815 のベース電流が流れ 2SC3890 のベース電流が減る原理です。

 放電電流の抵抗値計算ですが、流す電流を 200mA とすると R3 は 0.65V/0.2A = 3.25 Ωになります。今回は流す電流を 200mA と想定したので上記回路のようにエミッター抵抗(R3)を 3.3Ωにしています。

● 最終放電電圧

 この回路では TLP227G の内部にある発光ダイオードと直列に赤色 LED を接続しています。直列に接続しているのでリレーの発光ダイオードに流れる電流も同じなので LED が光っていればリレーもオンになっています。この LED は放電中を示すインジケータランプとして使っています。

 放電終了電圧は R1 で決定します。 R1 を大きくすると放電電圧は高くなります。1K〜2KΩの範囲で適当に設定して下さい。マニュアルによるとニッケル水素充電池の1セル当たりの最終放電電圧は1Vらしいので4本直列の場合には4V程度に設定すると良いと思います。でも私の経験から放電電流が多いと4Vで終了してもバッテリーにはまだ結構残っています。そこで私は 200mA 放電での最終放電電圧を 3.76V にしました。この 3.76V は適当な値なので正しいという訳ではありません。色々試して決定して下さい。

● トランジスタと放電電流

 出力段の 2SC3890 は手持ちのものを使ったので1A程度流せるトランジスターであれば何でも良いと思います。上記回路で1W以下ですが結構熱くなるので放熱はしっかりとるようにして下さい。それからパワートランジスタの hfe (増幅率)は一般的に小さいので思ったより電流が流せない場合があります。そのような時はもう一つトランジスタを追加してダーリントン接続で hfe をかせいで下さい。 R3 は、抵抗が小さいので熱くはなりません。普通の 1/4W 抵抗で十分です。

 私はトランジスタを追加するのが面倒だったので R2 の抵抗を小さく(300Ω)しベース電流をかせいでいます。今思えばもう一つトランジスタを追加しダーリントン接続にしたほうが良かったかな〜と思っています。これも気分です。


◎ 感想

 実は放電器ってあまり使わないというか、ラジオもデジタルテスターも結構低い電圧までしっかり絞り出して使う電子機器なんで取り替える時はもうバッテリーもカスカスになっています。普通に使っているだけで放電器と同じなんですね。まあバッテリーがヘタったときのおまじない用に使おうかと思っています。

 懐中電灯(古い言い方だな〜)にもニッケル水素充電池を使ったのですが、これは駄目ですね。懐中電灯って使うようであまり使わない。そんな訳で使おうと思った時にはもうバッテリーがヘタっているような状況です。懐中電灯はそのまま安いマンガン電池の方が良いようです。


◎ おまけ

 今回紹介したのは単三型ニッケル水素充電池4本直列用の放電器です。実は 上記回路になる前、006P 型の放電器も作っていたのです。これも外部電源無しで単に接続するだけで放電できるものです。上記回路よりもっとシンプルというか手抜きで発光ダイオードを使った放電器です。

 放電器を考えるとき、最終放電電圧をどのように決めるかいつもきになっていました。普通は基準電圧を基にコンパレータを使って最終放電電圧に達したら放電を止めるでしょう。たかが放電器に基準電圧やコンパレータを使うなんで贅沢すぎます。

 で、考えたのが定電圧ダイオードです。定電圧ダイオードはその電圧以下になれば電流が流れない。最終放電電圧の値を持つ定電圧ダイオードがあれば、それに電池を接続するだけ(当然、電流制限の抵抗は付けますが)で放電器が作れます。

 でも、最終放電電圧(006P型では7V)に近い定電圧ダイオードって無いんですよね。そこでひらめいたのが発光ダイオード。これって順方向で 1.6~1.7V の定電圧ダイオードに近い特性を持っています。そこで赤色発光ダイオードを4本直列に接続し 100Ωの電流制限抵抗を付けて放電器にしました。このセットを複数並列にして電流をかせぎます。

 私が使っている006P型のニッケル水素充電池の容量は 150mAh〜170mAh なので 0.3C の放電電流では6セット並列にすると良いです。

 問題なのが普通の単3型、これって容量が大きいのでズラっと発光ダイオードを並べなくてはいけません。そんな訳で今回のフォトリレーを使った放電器を作った訳です。だから006P型のバッテリーは発光ダイオードの回路を放電器に使っています(まだ実験以外につかっていないというかデジタルテスターでは空っぽになるまで使ってくれるので放電器を使う必要が無い!)。


2005/02/04